■S:今日の聖書の言葉
民数記20章12-13節（民数記19章)
★しかし、主はモーセとアロンに言われた。「あなたがたはわたしを信ぜず、わたしをイスラエルの人々の前に聖なる者としなかった。それゆえ、あなたがたは、この集会を、わたしが彼らに与えた地に導き入れることはできない。」
これがメリバの水、イスラエル人が主と争ったことによるもので、主がこれによってご自身を、聖なる者として示されたのである。
■O:今日のコラム
今日は、「執り成し」という点から、この箇所を見て、励ましと力を受けましょう。
（「メリバの一件」の通常の解釈は、本文の最後に参考としてまとめました。）
イエス様が一番のお手本ですが、「執り成す者」とは、聖い神様と罪深い人間の間に立って、神様の御心が、人間の中に成し遂げられるように祈り求め、人間の失敗を、神様に憐れんでください、と懇願する役割です。
私たちは元々、イエス様のように聖い存在ではありませんでしたが、イエス様の十字架の贖いによって義と認められ、聖められ、「和解の務め」「執り成す務め」を任命されました。
モーセは、神様の気持ちを思い、神様の立場に立って民に告げ、「聞け！反逆者たちよ！」と言い、持っていた自分の杖で岩を二回打ちました。
しかし、その姿勢、行動は、残念ながら、御心ではなく、神様は、このことのゆえに、「モーセとアロンは約束の地に民を導き入れることができない」と告げられました。
神様の本当の御心は、自分自身弱さをまとったモーセには、「神様、なんというひどい不信の民でしょう。あなたのような偉大な、忍耐強い、慈しみ深い、全能の神様に対して、このような不平不満を言うとは、なんという不信でしょう。でも主よ、私たち人間は、本当に弱く罪深く愚かな者なので、どうか、私たちを赦し、憐れんで見過ごしてください」と執り成して欲しかったのではないでしょうか。
そして、モーセは、今回（二回目）の主の命令通りに行わず、一回目のメリバで言われたように、岩を杖で打ち（出エジプト17:7、今日のデボガイ末尾参照）、しかも、二回打ってしまいました。しかし、神様は、本当はモーセに、指示通り、「岩に命じ」て欲しかったのではないでしょうか。
岩はキリスト。「命じる」という単語は、「ダバール」です。「ダバール」には、語る、命じる、歌う、会話をして親しく交わる、という意味があります。
モーセは神様のことを思って、思わず、民を叱責し、怒りに任せて岩を打ってしまったのかもしれませんが、神様はモーセに、神と民との間に立って、執り成し、忍耐強く、岩に向かって歌い、また語りかけ、水を出して欲しかったのではないでしょうか。
■A：考えてみよう
私たちは、自分自身が神様の愛を受け取り、神様を愛するようになる（御言葉を調べ、御言葉を行うようになる）と、神様の喜ばれないことをしている人々を見る時に、心が苦しく痛くなります。
彼らの結末をおぼえて恐れ、何より、それを見て神様の心が痛むことを辛く思います。
この時、神様が私たちにして欲しいことは、私たち自身が神様の命令に従い続けることであり、人々に対して、怒ったり、ののしったりすることではなく、岩なる主イエス様に歌い、イエス様と語り、交わることによって、イエス様が命の水を流してくださり、人々が飲めるようになること。また人々が、その恵みの中で、不信仰や不従順を悔い改め、神様が喜ばれることを選んでいく者となるよう、執り成していくことだと信じます。
■P：祈り
今日もし、神様の御心に反する人々を見て、心が痛む事があったら、へりくだった心で執り成すことができますように。
御心（御言葉）に反する現状を見て、苦しいことがあっても、岩なるイエス様に歌い、語り、祈り、私たちの内におられるイエス様から命の水が流れて行くようにしてください。
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【通常の解釈】
メリバという場所は、イスラエルの荒野の旅の中で二回登場します。（参考：出エジプト17:7）
二カ所とも、水がないことで民が不平を言い、それに対して、神様が「岩から水を出す」と言われました。
最初の時は、モーセにその杖で「岩を打て」と告げられ、二回目の今日の箇所では、モーセとアロンに、「岩に命じよ」と言われました。
ここでモーセは、「聞きなさい！反逆者たちよ！」と言って、杖で岩を二度打ち、その結果約束の地に入れなくなります。
この箇所の一つの大事な解釈は、この「岩」は、キリストであり（1コリント10章）、モーセが杖で岩を打ったことは、キリストの十字架を表し、「キリストが一度だけ御自身を捧げられた」ということが重要なポイントなので、どうしても、モーセは、岩を二回以上打ってはならなかった、というものです。
【 とも子 】
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