新宿シャローム教会 Shinjuku Shalom Church

■S:今日の聖書の言葉
マルコによる福音書2章9節

★中風の人に、『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け』と言うのと、どちらがやさしいか。

■O:今日のコラム
イエス様は、罪の赦しと病の癒しと、どちらが易しいか？と訊ねられました。、、、どちらも易しくはありません。易しくないどころか、人にはできないことです。ではイエス様にとっては易しいことだったのでしょうか、、、？　

確かにこのとき、イエス様は罪の赦しを宣言され、病を癒されました。けれども、最終的な全人類の罪の赦しと病の癒しのためには、イエス様ご自身が十字架の上で苦しみ、死を味わうという大きな代価が支払われねばならなかったのです。その犠牲のゆえに、今や私たちの罪は赦され（ヘブル9:11～15）、その打たれた傷によって私たちの病は癒されました（イザヤ53:4～5）。

ハレルヤ！主を賛美すると同時に、イエス様が受けて下さった御苦しみを思い、今朝、今ひとたび深く主に感謝したいと思います。

ところで、なぜイエス様は「あなたの罪は赦された」と言われたのでしょうか？初めから「起きて、寝床をたたんで歩け」と言われても良かったのではないでしょうか？ある人は、中風が癒されるためには、まず罪が赦される必要があったからだ、と説明します。果たしてそうでしょうか？

世には因果応報という考え方があります。ひとは「罪を犯した結果、病気になった」と考えがちです。世の宗教は、その心理につけこんで、入信させようとしたり、法外な値段をつけた物品を買わせようとしたりします。

ヨブが一度に全財産を失い、子どもたち全員を失い、自身もひどい病で転げ回っている姿を見て、3人の友人は「これはヨブが犯した罪の結果に違いない」と考えました。因果応報です。そこで彼らはヨブに「罪を認めろ」と迫ります。ですがヨブは認めません。身に覚えがなかったからです。事実、この災いが起こったのは「ヨブが犯した罪の結果」ではありませんでした（ヨブ1:8～12、2:3～6）。

ヨブに罪がなかった、というのではありません。否、むしろ神はヨブに、彼自身も気づいていない罪を悟らせようとして、サタンが彼を打つことを許されたのです。けれども、それはヨブを愛する神の深い意図、すなわち神との新しい関係に入らせるため（ヨブ42:5）であって、決して「罪を犯した結果」ではありませんでした。ですから、神は最後に、かの3人に対して、「ヨブのように正しいことを言わなかった」と怒りを燃やされたのです（ヨブ42:7）。

確かに、エデンの園では病気はなかったでしょうし、天の御国でも病気はありません（黙示録21:4、22:2）。ですから罪が入ってきたことによって死が入り、病が入ってきたことは事実です。また、刈り取りの原則、ということもあります（ガラテヤ6:7～8）。それでもなお、私たちはイエス様の言葉に希望を見出したいと思います。

イエス様は生まれつきの盲人を見られ、「彼が生まれつき盲人なのは、本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない」と明確に否定なさいました（ヨハネ9:3）。この言葉を聞いて、盲人とその両親は、どれほど慰められたことでしょう、、、。

では、なぜイエス様は、まず罪の赦しを宣言されたのでしょうか？もし、すぐに病を癒されたとしても、中風の男や彼を連れてきた人々の願いは叶えられました。律法学者たちとの軋轢も生じなかったでしょう。何も問題なかったように思えます、、、。

けれども、それでは神の願いが満たされないのです。ひとの願いは満たされたとしても、神の願いは満たされません。

私たちは目の前の問題、苦しみ、病、、、そこから救い出されることを切望します。肉なる私たちの願いは地上のことばかりです（ピリピ3:19）。けれども主の願いは、エデンの回復であり、私たちとの永遠の関係が回復されることです。

私たちは主にどんなことでも願うことが許されています。主はその願いを聞いて下さいます。けれども主は、私たちの召使いではありません。主には主のお考えがあります。そして主の御心は私たちの思いを遥かに超えた素晴らしいものです。そのことを思って主の願いを求めて参りましょう。

■A:考えてみよう
私の願いを正直に主に申し上げよう。同時に、主は何を願っておられるのか、祈り、求めてゆこう。

■P:祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 よしかず 】