■S:今日の聖書の言葉
テサロニケ人への手紙 第二 2章15節

★そこで、兄弟たち。堅く立って、私たちのことば、または手紙によって教えられた言い伝えを守りなさい。

■O:今日のコラム
第二テサロニケ2章には反キリストの現れが記されています。反キリストの行動について「自分を高くあげ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。」(4節)とあります。反キリストが宮の中に自分の座を設けることからも、その現れの前には必ずエルサレム神殿が再建されてなければならないことが分かります。

第三神殿の再建をすることは中東情勢において大きな戦争を招くことから容易ではありません。しかし、国々に平和条約を結ばせ、イスラエルに有意な立場を与え、エルサレム神殿の再建を命じるリーダーが出現するならユダヤ人は「このリーダーこそイスラエルを導くメシアだ。」と心がなびくことでしょう。しかし、気をつけなければならないのは、彼は羊の皮を被った狼なのです。

3年半の後に条約は破棄され、ユダヤ人がメシアだと信じたリーダーが本性を現し、彼は反キリストとして宮の中に自分の座を設け、自分を礼拝することを強要するようになります。その時、多くのユダヤ人が抵抗し、迫害を受け、苦しみの時期を通ることになるのです。そこで私たちは誰が反キリストなのかを気にし、それは様々な興味をくすぐりますが、もっと大切なことは御言葉の真理に目を留め続けることです。

例えば、トランプ大統領は公ではクリスチャンであるという証をする一方、彼は熱心なユダヤ教徒としての姿も持っています。確かにトランプ大統領の政策によりこの数年で一気にイスラエル情勢が動きました。アメリカ大使館のエルサレムへの移転やゴラン高原をイスラエルの領地として認めること等、イスラエル寄りの政策を数々と実現させ、イスラエルが有利な立場になるので、イスラエルではトランプ大統領がヒーローのように扱われ、嘆きの壁近くの駅を「トランプステーション」と名付け、またアメリカ大使館のエルサレム移転を記念して、ダニエル書に出てくるクロス王とトランプの顔を並列に描いた「トランプ記念コイン」などが発売されました。
ユダヤ人がどれほどイスラエルに有利な政策をとるリーダーになびくかを見てとることができます。また最近では中東の国々とイスラエルを和平条約へと導き、現在中東では歴史的な数々の動きが起こっています。

しかし、トランプ大統領は自分ではなく、義理の息子のクシュナー議員がイスラエルにおいて影響あるリーダーになるのを願っています。クシュナー議員はユダヤ人で熱心なユダヤ教徒であり、イスラエルにおいても尊敬される議員です。見た目もハンサムで有能な人物です。彼は政治家になる前にビジネスマンとして活躍していましたが、彼がかつてニューヨークで所有していたビルは通称「666ビル」と呼ばれ、ニューヨークの666番街に建てられ、ビルにも大きく666と記してあるのでその名称で呼ばれるようになりました。

では、ここまで様々なことを書いた上で、反キリストになりうる人物はこの世に数多く存在していますが、その人物が誰だか特定することに私たちは注目点を置く必要が無いということです。時が来れば心配しなくとも反キリストは現れます。聖書に記されている以上その現れを止めることは出来ません。では私たちが本当に警戒し、気を付けなければならないのは、私たちの心の王座に反キリストの霊性が座を設けることに対してです。

その特徴は「自分こそ神であると宣言」します。「これは私の人生なのだから、主がなんと言おうと、御言葉にどう記されていようと、私は私の考えと基準に従って生きる。」という生き方をすることです。

私たちは皆、罪の性質を持つ者なので、肉のままに生きるなら誰でもこのような考えを持つものです。善悪の木の実、罪の本質は「あなたが神のようになる。」というものだからです。だからそこ私たちの心が造り変えられる為にはイエス・キリストの十字架の血による聖めと、御言葉の洗いが必要です。聖書の御言葉には私たちの肉の性質を矯正し、主の心を行う者へと整える役割があります。

「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです。」(第二テモテ3:16~17)

それなのでパウロは第二テサロニケ2章で反キリストについて述べ、その締めくくりとして「そこで、兄弟たち。堅く立って、私たちのことば、または手紙によって教えられた言い伝えを守りなさい。」と言っています。
日々の御言葉の朗読を通して人生の主人権が自分にではなく主にあることを心に刻み、心の王座を毎日主に明け渡すことを共に続けて参りましょう。御言葉の朗読と祈りの生活は地道な歩みですが、それこそがこの終わりの時代に反キリストに打ち勝つ力となります。

■A:考えてみよう
明日2020年の10月10日はイスラエルではシムハット・トーラーであり、熱心なユダヤ人たちは一年を通してトーラー(律法)を朗読できたことを喜び祝い、御言葉に口付けして祝います。
しかし、私たち主イエスを信じる者にとっては毎日がシムハット・トーラーであり、御言葉に口付けするように、御言葉を愛し、御言葉を口ずさみ、御言葉を喜び、御言葉の民として歩み続けて参りましょう。

■P:祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 しんご 】

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