■S:今日の聖書の言葉
ピリピ人への手紙3章12〜14節
★私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕えようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕えてくださったのです。兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕えたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。
■O:今日のコラム
ピリピ人への手紙は私たちを救いの完成、キリストにある成熟へと導く書簡です。
どの分野においても「もう自分は十分に達成した。」と思うならそこで成長は止まってしまいます。あらゆる職人や達人、一流のスポーツ選手やアーティストは日々さらに優れたものを追求し続け、何かを達成した後でも、まるで初めてそのことに取り組むかの様な興味と追求心をもって取り組んでいます。このような心を持った人はどれだけ歳を経てもさらに成長し続けるのです。
聖書の中で主に愛された人々の特徴は、完璧で完全な人でも、能力や才能に秀でた人でも無く、弱さを抱え、足りない部分も多くありながらそれでも神を追い求め続けた人たちです。何があっても主を追い求める人々を主は特別に愛されました。
パウロの人生には素晴らしい学歴（ガマリエルの門下での学びは当時の超エリートの教育）、ユダヤ人としての血統、律法への熱心さ、その他にも誇るべきことが数多くありました。しかし、パウロはキリストと出会い、主イエスと共に歩む中で自分の弱さを数多く学び、弱さを通して働く主イエスの十字架の素晴らしさだけを誇るようになりました。殉教を前にしたこのピリピの手紙においてパウロはこう述べています。
「しかし、私にとって得であったこのようなものをみな、私はキリストのゆえに、損と思うようになりました。それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、いっさいのことを損と思っています。私はキリストのためにすべてのものを捨てて、それらをちりあくたと思っています。」（ピリピ３：７～８）
この「ちりあくた」とは直訳では「動物の糞」という意味があります。なんと彼はイエス様のあまりにもの素晴らしさの故に、自分の輝かしい経歴は全て動物の糞と同じぐらいのものだと言い切ったのです。
また「私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえ」という言葉は「イエス様をさらに深く、さらに親しく人格的に知ることの圧倒的な価値、至上の利益、絶大な値打ちのゆえ」という意味があり、パウロがイエス様ご自身を追い求めることにどれ程に高い価値を見出していたかが分かる言葉です。
パウロは主イエスを追い求めることを人生の何よりもの目標とし、「この一事に励んでいます。」と言い、別訳には「一つの事だけを求めるよう努めている」と記されています。
私もパウロ、ダビデ、マグダラとベタニヤのマリヤ、エノク・・・その他多くの主を追い求めた聖徒たちに倣い、全人生をかけて主を追い求める者、この一つのことを求め続ける者になりたいと切に願っております。
嘘偽りなく主の御前に心から願って祈っていることがあります。それは「主よ。私が欲しいのは名誉でも栄誉でも、人からの賞賛や評価や承認でも、成功でも繁栄でもありません。たとえ全ての祈りが聞かれなかったとしてもこの祈りだけは絶対に聞き逃すことなく、覚えていて下さい。この人生かけてイエス様をもっと知りたいです。主と一つ心となり、父なる神の心を余すことなく実行する者になりたいです。それが私の心からの願い求めです。」と日々、主の御前で祈り求めています。
主イエスがくれる物を追い求めることから、主イエスご自身を追い求める生き方へと方向転換する時、私たちの日々の生活は主を知る為の機会となり、一日一日御霊なる主の導きの中でキリストにある成熟、救いの完成へと向かって歩んで行く（パウロは走っていた）道となるのです。主イエスを追い求める歩みの結論としてパウロがこう述べていることに心を留めましょう。
「ですから、成人である（霊的に成熟した、大人になった）者はみな、このような考え方をしましょう。もし、あなたがたがどこかでこれと違った考え方をしているなら、神はそのこともあなたがたに明らかにしてくださいます。」（ピリピ３：１５）
■A:考えてみよう
ピリピ人への手紙３章全体を朗読し、主イエスを追い求める信仰の歩みが出来るように主の御前に祈り求めましょう。
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 しんご 】
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