■S:今日の聖書の言葉
ルカによる福音書8章43~44節
★ときに、十二年の間長血をわずらった女がいた。だれにも直してもらえなかったこの女は、イエスのうしろに近寄って、イエスの着物のふさにさわった。すると、たちどころに出血が止まった。
■O:今日のコラム
今朝の箇所は、まことに感動的であり、私たちに勇気と希望を与えて下さる御言葉であります。長血とは婦人病のひとつで、月経出血が止まらない状態が続く病です。この病の苦しみは、病気そのものから来る苦痛と共に、当時のユダヤ社会では出血が続いている間は律法によって「汚れている」とされ、ひとと接することが禁じられていました。ゆえに彼女は社会的に誰とも交流することができない、隔離された生活を強いられていたのです。(レビ記15:25、31) それが十二年間も続きました。
その苦しみたるや、どれほどのものだったでしょう、、、。しかも彼女はその治療のために多くの医者にかかり、さんざん苦しんだ挙句、持ち物をすべて費やしてしまったにもかかわらず、何の甲斐もないばかりか、ますます悪くなる一方だったのです。(マルコ5:26)
良い医者がいると聞けば出かけて行ったことでしょう。何とか治してもらおうと持ち物を売って治療費を捻出し、そのたびに期待は裏切られ、失望し、それを繰り返すうちに、ついに無一物になってしまったのです。もはやどうすることもできない、まさに絶望的状況です、、、そのとき、彼女はイエス様のうわさを耳にします。
「イエスが入って行かれると、村でも町でも部落でも、人々は病人たちを広場に寝かせ、そして、せめて、イエスの着物の端にでもさわらせてくださるようにと願った。そして、さわった人々はみな、いやされた。」 (マルコ6:56)
真っ暗な闇に覆われていたような彼女の人生に、ひと筋の光が差し込んできた瞬間でした。「この方の衣のふさにでもさわらせて頂くならば、私はきっと癒される」 そう思ったら、もう居ても立ってもいられません。外に出てゆくことも、誰かに触れることも、律法に反することであり、もし見つかったら罰せられる行為でしたが、彼女は立ち上がりました。そして群衆に紛れてイエス様に近づき、御衣のふさにさわったのです。その瞬間、彼女は癒されました。ハレルヤ!何と素晴らしい我らの主!何と力あるイエス様!
今、苦しみを、問題を、病を抱えておられる方がいらっしゃいますか? イエス様の御許に行きましょう。イエス様はあなたを救い出すことができます。どんな絶望的状況の中からも私たちを救い出すことのできる力ある方、それが我らの主、イエス・キリストです。
さて、イエス様は最後にこの女性に向かって「あなたの信仰があなたを直したのです」と言われました。あらためて考えてみると、彼女の信仰は驚くべき信仰ではないでしょうか。なぜなら、癒す側にはまったくそのつもりがなかったのに、癒される側の信仰だけで病が癒されたのですから。
ところで、私たちは「信仰の強い人」というと、無意識のうちに抱いているイメージがありはしないでしょうか? 神に対する揺るがない確信、大胆な信仰の宣言、決して諦めない粘り強さ、快活な生気に溢れた立ち居振る舞い、、、。イエス様から称賛された信仰者を思い起こしてみても、たとえば下僕を癒してもらった百卒長は、「ただお言葉を下さい。そうすれば下僕は癒されます」とイエス様の権威に対する、全き確信を持っていました。(マタイ8:5~10)
スロ・フェニキヤの女は、何度、拒絶されても「小犬も食卓から落ちるパンくずは、いただきます」と諦めませんでした。(マルコ7:24~30) しかし、この長血の女はどうでしょう。十二年間の闘病の末、疲れ切っていました。恐れながら、震えながら、イエス様の衣のすそにさわるのがやっとでした。けれども、彼女はイエス様から癒しの力を引き出したのです!
ここで覚えたいことは、今、もしあなたが疲れていて、「自分には到底、強い信仰など、ありはしない」と、嘆きしか出てこない状態だったとしても、希望があるということです。イエス様は「からし種一粒の信仰があれば、山が動く」と言われました。(マタイ17:20)
からし種とは、砂粒ほどの大きさで、小ささの象徴です。つまり、どんなに小さくても問題ではない、ということです。けれどもイエス様は、砂粒とはおっしゃいませんでした。からし種と言われました。違いは何でしょうか? 生命です。からし種には生命が宿っているのです。生命は主から来ます。信仰も主から与えられるものです。
私たちは、自分で自分の信仰を判断することも、やめようではありませんか。そして、たとえ弱り果てていたとしても、イエス様の御許にゆくなら、必ず救われることを信じましょう。長血の女のごとく、御そばに近づいて参りましょう。
■A:考えてみよう
「私の信仰は薄い」と自分で自分を裁いてはいないだろうか?
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 よしかず 】
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