■S:今日の聖書の言葉
ヨハネの黙示録11章19節
★それから、天にある、神の神殿が開かれた。神殿の中に、契約の箱が見えた。また、いなずま、声、雷鳴、地震が起こり、大きな雹が降った。
■O:今日のコラム
聖書は「キアスム」という手法が多く用いられています。キアスムとは右と左の対となるものが交差しながら中心に向かって行くという、この文を読んだだけでは一体何のことか分からない内容のものです。
イスラエルのメノラーの形を見るとイメージし易いですが、メノラーの右の枝は左の枝と繋がり、1番目の枝は7番目、2番目の枝は6番目の枝と繋がり、中央に最も大切な柱がある。これがキアスムです。
聖書にはこの「キアスム」という手法が多く使われています。たとえば詩篇23篇はヘブル語では前半と後半が同じ文字数で記されており、その中央に書かれているのが「あなたが私とともにおられますから。」(詩篇23:4)という言葉です。つまり詩篇23篇の最も核となるメッセージは「主が共におられる」という内容なのです。
マタイの福音書13章には神の国がどう言うものであるかについて、7つの例えをイエス様が教えておられます。これもキアスムという構造になっており、その中央にあるのがこの御言葉です。
「天の御国は、畑に隠された宝のようなものです。人はその宝を見つけると、それを隠しておいて、大喜びで帰り、持ち物を全部売り払ってその畑を買います。」(マタイ13:44)
御言葉はその中央に宝が隠されています。その御言葉の奥義を知ったなら、私たちは全てをかけて御言葉を求めるようになるのです。またこの44節の御言葉の内には実はイエス様の十字架も啓示されているのですが、ここではそのことは解説しません。
モーセ五書(トーラー)は巨大なキアスムの構想になっていると言われています。それなのでユダヤ人はトーラーを朗読する内に、右脳と左脳が活性化され知恵を持った天才が育って行くことも研究されています。
また黙示録もキアスムの手法で記されています。その中央に位置するのが11章です。黙示録には終わりの時のしるし、神の裁きがメインに記されているイメージを持ちがちですが、黙示録の中心的なメッセージは「礼拝」です。
その礼拝の書簡である黙示録の中央に位置する11章は、幕屋の構造に従って記されています。
1節~2節には聖所、祭壇、外庭が記されており、また4節に登場する預言者は「二つの燭台」という表現で書かれています。これは聖所の中にあるメノラーであり、また幕屋においてメノラーの反対側には御言葉を意味する「パンの机」があります。この燭台として現れる二人の預言者は、主の御言葉を語り、この地に正しい裁きが行われます。
また15節以降は、天での礼拝と祈りが主の御前に立ち昇り、聞き遂げられる様子が記されており、これは幕屋の中では「香壇」に位置するものです。そして最後の19節には天の至聖所が開かれそこに「契約の箱」が見えます。
現代の教会において「黙示録」からメッセージを語る教会が減ってきているという報告を聞いたことがあります。なぜなら黙示録は、理解が難しく、世の終わりの恐ろしい内容が記されているから。また多くの異端が黙示録の解釈を変えて語っている為に黙示録を語ると自分たちも異端と間違えられるといけないから。と様々な理由の故に黙示録が語られなくなってしまいました。
サタンは教会から黙示録を奪い去りたいと願っています。なぜなら黙示録は神の国の大勝利が記され、また天と地に響き渡る偉大な賛美が記された書簡なので、この書簡を聖徒たちが読み始めるなら教会が勝利をしてしまうからです。
多くの人々が黙示録を通して世の終わりに何が起こるのか。という興味だけで黙示録を表面的に見ます。しかし、聖徒にとってこれは礼拝の書簡であり、賛美の書簡であり、大勝利の書簡なのです。別の言葉で言うなら黙示録を朗読する内に私たちは勝利者となり、礼拝者となり、主の臨在の中で至聖所に到達して行くのです。それなので今年の終わりに必ず一度は黙示録を朗読しましょう。
■A:考えてみよう
2019年が終わってしまう前に一度、黙示録そして新約聖書全体を朗読することをチャレンジしてみましょう。
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 しんご 】
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