■S:今日の聖書の言葉
ヨハネの黙示録9章20,21節

★これらの災害によって殺されずに残った人々は、その手のわざを悔い改めないで、悪霊どもや、金、銀、銅、石、木で造られた、見ることも聞くことも歩くこともできない偶像を拝み続け、その殺人や、魔術や、不品行や、盗みを悔い改めなかった。

■O:今日のコラム
黙示録8章から、七つのラッパを持った七人の御使いが現れ、ラッパを吹き鳴らす毎に、恐ろしい災害が地を打ちます。次から次へと想像を絶するような災害が地を襲い、ついに人々は「死を願うが、死が彼らから逃げて行く」(黙示9:6)ほどの苦痛で苦しめられます。死ぬことさえ許されないのです。

そして、今朝の箇所は、第六の災害が地を打ったのち、なお地上で生き残った人々のさまです。驚くべきことに、それでもなお彼らは悔い改めず、偶像を拝み続けた、というのです。一体、それほどまでに彼らを惹きつけた偶像とは何なのでしょうか?

もちろん、具体的な他の神々、イエス・キリストの父なる神以外の神々を指しているでしょう。けれども、さらに一歩踏み込んで、今朝、皆さんと考えたいことがあります。

イエス様はおっしゃいました。

「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富(マモン)にも仕えるということはできません。」(マタイ6:24)

イエス様が、唯一のまことの神と対比して挙げたのは、富(マモン)でした。この両方に仕えることはできない、と戒められたのです。言い換えれば、富(マモン)は神に取って代わって主人となるほどの危険をはらんでいる、ということです。

興味深いことに、今朝の御言葉に出てくる「金、銀、銅、石、木」とは、すべて貨幣の材料です。

80年代後半から90年代前半にかけて、日本はバブル景気に浮かれました。当時、株価と地価が上昇し続け、企業も個人も本業そっちのけで「財テク(金融機関から金を借り、株や不動産を買いあさる)」に狂奔しました。「日本は国土が狭いから地価は上がり続ける」という土地神話を、人々は信じ込んでいました。そしてバブルは弾けました。実体経済を伴わない、まさに「あぶく銭」だったからです。

そこから日本は長く苦しい経済低迷期に入りました。ある意味、今なおその中にあります。「我々は『拝金主義』に陥っていた、、、」という反省も聞かれました。それでも日本において、「経済さえ好転してくれれば」という願望、すなわち「富(マモン)に頼り続けたい」という偶像礼拝を、今もなお悔い改めていない現状があると、私は思うのです。

充実した社会保障や医療保障、高い保険加入率や貯蓄率、、、これらは日本の優れた側面であり、これを否定しようというのではありません。そもそも、社会保障制度は歴史的にはイエス様のぶどう園のたとえ(マタイ20:1~16)を背景にヨーロッパで発達したものであり、「能力に応じて働き、必要に応じて消費する」とはマルクス(共産主義)が起源ではなく、その源はイエス様の御言葉です。

また、聖書は貯蓄を否定していません。それどころか、「なまけ者よ。蟻のところへ行き、そのやり方を見て、知恵を得よ。・・・夏のうちに食糧を確保し・・・」(箴言6:6,7)と、将来に備えることをしない生き方を、「怠惰である」と戒めています。イソップ寓話の「蟻とキリギリス」は聖書が土台と言われています。昔のクリスチャン家庭では「収入の十分の一は献金し、十分の一は貯蓄し、残りの十分の八で生活しなさい」と教えたそうです。

しかし、それでもなお、「神と富(マモン)とに兼ね仕えることはできない」とのイエス様の警告を、今朝、重く受け留めたいと思います。クリスチャンだから大丈夫、ということではないと思うのです。私たちは、神に仕え、富は支配せねばなりません。

■A:考えてみよう

「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富(マモン)にも仕えるということはできません。」(マタイ6:24)

今朝、この御言葉を思いめぐらし、自ら省みて「主よ、私は、ただあなただけにお仕えします」との献身を新たにして参りましょう。

■P:祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 よしかず 】

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