■S:今日の聖書の言葉
列王記第二 2章9~10節

★渡り終わると、エリヤはエリシャに言った。「私はあなたのために何をしようか。私があなたのところから取り去られる前に、求めなさい。」すると、エリシャは、「では、あなたの霊の、二つの分け前が私のものになりますように。」と言った。
エリヤは言った。「あなたはむずかしい注文をする。しかし、もし、私があなたのところから取り去られるとき、あなたが私を見ることができれば、そのことがあなたにかなえられよう。できないなら、そうはならない。」

■O:今日のコラム
エリヤが天に上げられる直前、エリシャはエリヤの霊の「二つの分け前」を求めました。「二つの分け前」とは、長子に与えられる相続分を指し、すなわちエリヤの正統な後継者となることを求めた、ということです。

これに対し、エリヤは不思議な答えをします。

(1)あなたが求めたことは難しいことだ
(2)しかし、私が取り去られるとき、私を見ることができるならば、それはかなえられる

その直後、一台の火の戦車と火の馬が現れ、二人の間を分け隔てました。しばしば聖画では火の戦車に乗って天に昇ってゆくエリヤが描かれていますが、聖書にはそうは書かれていません。エリヤは「たつまき」に乗って天へ上ってゆきました。(第二列王記2:11参照)

火の戦車と火の馬の霊的解釈は様々あると思いますが、言えることは「思わず目を奪われるようなものであった」ということです。それが突然、二人の間に割って入ってきたのです。しかし、エリシャはそれらのものに目を奪われませんでした。最後までエリヤから目を離しませんでした。その結果、エリシャは確かにエリヤの霊の二つ分を分与されました。

以下は私が数えたもので、数え方によっては多少異なるかもしれませんが、ともかく、エリシャはエリヤに倍する奇跡を行いました。

エリヤの奇跡
(1)カルメル山での戦い
(2)祈りによって3年半雨をとどめる
(3)やもめ母子の粉と油の奇跡
(4)死んだ子を生き返らせる
(5)天からの火で50人を焼き尽くす
(6)ヨルダン川を分ける

エリシャの奇跡
(1)ヨルダン川を分ける
(2)流産する悪い水を塩をもって癒す
(3)尽きない油の奇跡
(4)シュネムの女の奇跡(不妊を癒す)
(5)シュネムの女の奇跡(死んだ子を生き返らせる)
(6)毒鍋の毒を無害とする
(7)パンを増やす
(8)ナアマンの癒し
(9)川に落ちた斧を引き上げる
(10)敵王の戦略を密通者のごとく見抜く
(11)天の軍勢を動員する
(12)エリシャの骨に触れると生き返る

先日、聖会でメッセンジャーが「どれほどミニストリーで成功したとしても、後継者を育て、継承できなければ、それは真の成功者とは言えない」と語っておられました。信仰の継承、福音宣教の働きは、世代から世代へと確実に受け継がれてゆかねばなりません。

良き師を持つことは、まことに大きな恵みであります。同時に、今朝の御言葉によれば、最後まで師を見つづける(尊敬する、従順に従う、愛する、大切にする、、、)ことは、弟子の側に求められている最も重要なことであります。

ひとつ証しをさせて下さい。
私には、17歳のときから15年間、厳しい薫陶を与えて下さった牧師先生がおられました。しかし、ある日突然、先生は教会を去り、その後、二度とお会いすることなく召されました。その後の15年間私は、心の奥底にポッカリ穴があいたような信仰生活でした。

しかし、不思議な主の導きにより30年在籍したその教会から、現在の教会に転会しました。聖霊信仰が豊かに回復される中で、私にひとつの思いが与えられ、意を決して、先の牧師先生のお墓を訪ねました。やっと探し当て、墓石の前に立った時、深い悔い改めが与えられました。

心の奥底で私が抱いていた恨み、怒り、悲しみ、辛さ、、、それらを告白し、手放したときに、この先生に対する深い感謝が湧き上がってきました。そして、私自身が癒されたことを感じました。

人は不完全であり、どんなに優れた師であったとしても、完璧ではあり得ません。それでも、主にあって、最後まで師を見つづけるならば、私たちは霊的遺産を豊かに受け継ぐ者とされるでしょう。

■A:考えてみよう
私たちの師はただひとり、主イエス・キリストであります。(マタイ23:10参照)

敬愛する私の教会の牧師は、常々こう言われます。
「私が求めているのは、私(牧師)の弟子を作ることではなく、キリストの弟子を作ることです」

パウロは言います。

「私がキリストを見ならっているように、あなたがたも私を見ならってください。」(第一コリント11:1)

私たちキリスト者にとって「師弟」とは、すなわち、共にキリストを師と仰ぐ者同士が、世代から世代へと模範を示し続けるという意味においてであります。信仰の先達は、自分のことばかりでなく後に続く者たちの成長を願って心を配り、祈る。後輩は先輩の姿勢に学んで、ますますキリストを見上げる。

そのような麗しい関係を主は願っておられるのではないでしょうか?

■P:祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 よしかず 】

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