■S:今日の聖書の言葉
マタイによる福音書20章10~15節
★最初の者たちがもらいに来て、もっと多くもらえるだろうと思ったが、彼らもやはりひとり一デナリずつであった。
そこで、彼らはそれを受け取ると、主人に文句をつけて、言った。『この最後の連中は一時間しか働かなかったのに、あなたは私たちと同じにしました。私たちは一日中、労苦と焼けるような暑さを辛抱したのです。』
しかし、彼はそのひとりに答えて言った。『私はあなたに何も不当なことはしていない。あなたは私と一デナリの約束をしたではありませんか。自分の分を取って帰りなさい。ただ私としては、この最後の人にも、あなたと同じだけ上げたいのです。
自分のものを自分の思うようにしてはいけないという法がありますか。それとも、私が気前がいいので、あなたの目にはねたましく思われるのですか。』
■O:今日のコラム
今日の話の文脈は、19章のすべてを捨ててイエス様に従ったペテロが言った「私たちは(報いとして)何がいただけるのでしょうか?」という問いからつながるため、朝早くから働く労務者とは一義的にはそこにいた弟子たちを指しています。
早朝組も夕方組も、主人との取り決めで日給1デナリ(日本円にして約1万円)の約束をしました。待ちに待った支払いのときになって、夕方組が約束通り1デナリをもらっているのを見ると、「(たった1時間働いて1デナリって、、、時給1万円ではないか!それなら我々はもっと多くをもらえるに違いない!)」と内心はしたり顔。しかし、支払われた報酬は夕方組と同じ約束通りの1デナリだった。当然のことながら早朝組から訴えの声が上がります。
一般の考えに基づくと、早朝組が不平を言うのも無理はないことと思ってしまいます。現代でも人々は職場の労働環境や給与規定等について敏感であり、未払いの残業代を求めて戦う人もいるほどですから、私たちも早朝組と同じような立場に置かれたとしたら同様に訴えの声を上げたくなるのではないでしょうか。
黙想するうちに一つのことが思い浮かばれたのですが、それは旧約の預言者や信仰者たちのことでした。アブラハム、モーセ、ダビデ、イザヤ、エレミヤ、エゼキエル・・・彼らもある意味では主人から雇われたブドウ園で働く「労務者」たちです。彼らはどんな報酬を受けたのでしょうか。彼らもやはり「1デナリ」だったのでしょうか。
「この人々はみな、その信仰によってあかしされましたが、約束されたものは得ませんでした。神は私たちのために、さらにすぐれたものをあらかじめ用意しておられたので、彼らが私たちと別に全うされるということはなかったのです。」(へブル11:39~40)
なんと、彼ら旧約の人々はこの「1デナリ」すら受けなかったのではないかと感じます。しかし、彼らは主に不平を言うことなく、むしろ希望にあふれてこの世を後にしていきました。地上の価値ある物よりはるかにすぐれたものを天で見出し、主がそれを与えてくださると確信していたのです。神様の大きな視点においては、その報いや答えはときに世代、時代を超えていきます。
「彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのための奉仕であるとの啓示を受けました。そして今や、それらのことは、天から送られた聖霊によってあなたがたに福音を語った人々を通して、あなたがたに告げ知らされたのです。それは御使いたちもはっきり見たいと願っていることなのです。ですから、あなたがたは、心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストの現われのときあなたがたにもたらされる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。」(1ペテロ1:12~13)
私たちもそれぞれに担うべき重荷や任せられている使命があります。その信仰の歩みに神様は天の報いを必ず用意してくださっていることを今日も信じたいと思います。地上での量的な報いに縛られることはありません。
「しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。」(1テモテ6:6)
今日、私たちの心がキリストのゆえに満ち足りた心、満ち溢れる心となりますように。
■A:考えてみよう
豊かであっても貧しくあっても、喜びの日も悲しみの日も、すべての状況で、以下のみことばを告白し主に信頼を置きましょう。今日一日も信仰の歩み、労苦には必ず報いがあることを信じましょう。
「主は、私へのゆずりの地所、また私への杯です。あなたは、私の受ける分を、堅く保っていてくださいます。」(詩篇16:5)
「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。私だけでなく、主の現われを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。」(2テモテ4:7~8)
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 ぺい 】
オンライン献金はこちらから。
大きな額の献金は手数料の少ない口座振り込みをお勧めいたします。