■S:今日の聖書の言葉
マタイによる福音書2章23節

★そして、ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちを通して「この方はナザレ人と呼ばれる」と言われた事が成就するためであった。

■O:今日のコラム
この箇所には「この方はナザレ人と呼ばれる」という謎の預言が記されています。この預言は旧約聖書のどの箇所を見てもどこにも記されていません。それにも関わらずマタイの福音書には「これは預言者たちを通して『この方はナザレ人と呼ばれる』と言われた事が成就するためであった。」と堂々と書いてあります。これは一体どう理解すれば良いのでしょうか。

数年前にイスラエルのナザレに行った時、このことの答えが分かりました。ナザレにナザレ村という博物館があり、そこではイエス様がこの地を歩まれた当時の生活を今も再現しています。そこで案内をしてくれたガイドの方がナザレの元々の意味を説明してくれました。

ナザレにはかつて、バプテスマのヨハネと同じグループに属するユダヤ教徒のエッセネ派の人々が住んでいたと言われています。エッセネ派の聖徒たちは主の戒めを熱心に守り、身を清めて敬虔な生活を送り、聖書の写本にも力を注ぎました。このエッセネ派から、新しいグループとしてナザレの共同体が生まれました。

このナザレとは、ネツァール(若枝、新芽)という語源から生まれた名前です。では、このことを理解すると、「この方はナザレ人と呼ばれる」という預言がどこにあるのかを知ることが出来ます。イザヤ書にはこのように預言が記されています。

「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ」(イザヤ書11:1)

ここに記されている「若枝」がネツァールです。

「彼は主の前に若枝のように芽ばえ、砂漠の地から出る根のように育った。彼には、私たちが見とれるような姿もなく、輝きもなく、私たちが慕うような見ばえもない。」(イザヤ書53:2)

つまり、ナザレ人とは若枝(ネツァール)のようにこの地に芽ばえ、育たれたイエス様の姿を預言した言葉だったのです。

現在日本の教会においては信仰継承において深刻な問題を抱えており、牧師や教会に通うクリスチャンの高齢化が進み2030年には現在の教会の三分の一以上が無くなるという統計が出ています。

しかし、主はいつでも若枝を芽ばえさせ新しい命を与えて下さいます。イエス様が「若枝のように芽ばえ、砂漠の地から出る根のように育った。」と預言されたように、この霊的な荒野に思える日本の中からも、主は御霊の活力に満ち溢れた若枝をかならず芽ばえさせて下さいます。この令和の時代に、新しいことが起こることを主に期待しましょう。

■A:考えてみよう
日本各地の教会に若枝が芽生えるようにとりなし祈りましょう。

■P:祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 しんご 】

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