■S:今日の聖書の言葉
列王記第一12章28～30節
★そこで、王は相談して、金の子牛を二つ造り、彼らに言った。「もう、エルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる。」それから、彼は一つをベテルに据え、一つをダンに安置した。このことは罪となった。民はこの一つを礼拝するためダンにまで行った。
■O:今日のコラム
第一列王記１１章と１２章はソロモンの偶像礼拝の故に、イスラエルの王国が北と南に分裂していく悲劇的な姿が記されています。北イスラエルの王となったヤロブアムは人々の心が南ユダに向くことを恐れて、人々がエルサレムに行って礼拝をしないように金の子牛を造りました。
上記の御言葉には「このことは罪となった。」と記されていますが、この罪は後の世代にも深刻な影響をもたらし、北イスラエルはこの後、約３９０年間も金の子牛の偶像礼拝を続け、結局それが原因となって国を失い全世界に散らされていく悲劇がもたらされました。
列王記を通してソロモンをはじめ、ヤロブアム、アハブ、エフー…その他の多くの王たちが偶像礼拝に心奪われていく姿を見る時、「なんと愚かなのか」と裁いてしまいがちですが、それは誰でもなく私自身の心の内にある姿であり、私たちもすぐに主から目を逸らし、この世の思いで心が支配されてしまうことがあり得るのです。主よりも優先順位が高く、心を奪うもの、それが心の内にある偶像だからです。
特に金の子牛礼拝がイスラエルにとって離れることが出来ない深刻な偶像となったのは、それが主を礼拝する祭壇の上に建てられていたからです。人々はまるで今までと変わらず主を礼拝していると思いながら、金の子牛を礼拝していたのです。
時に私たちも気付かずに主を礼拝していると思いながら、ミニストリーを礼拝することがあります。それが音楽であれ、油注ぎであれ、メッセージであれ、主よりもそこにフォーカスがあたる時、それが、主の祭壇の上に建てられた金の子牛となってしまう可能性があります。
世界的なワーシップリーダーのマット・レッドマンは、かつて彼の教会において毎週の礼拝で優れた賛美が捧げられていました。しかし、だんだんと人々は主を礼拝する為ではなく、その音楽を求めて教会に集まるようになったのです。その時マット・レッドマンは全ての楽器を止め、ピアノだけである一定期間賛美をし、人々が演奏ではなく、主に目を向けるようにチャレンジしました。その期間に現在も世界中で歌われている「Heart Of Worship」という、悔い改めて、主を賛美する心へと立ち返る賛美が出来たのでした。
またミニストリーには必ず「経済」という問題がついてきます。絶えず経済的な心配や困窮を経験する中でいつの間にか「お金が無いから出来ない。」という考え方を持つようになります。
しかし、イエス様はこの地上での働きをする時に経済的な心配を一切されず、完全な供給者である父なる神にいつも信頼を置きました。イエス様は山上の垂訓の中で
「神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。」（マタイ６：２４ｂ）
と言われていますが、ここで使われている「富」は経済の偶像を意味する「マモン」と言う言葉が使われており、そのマモンの偶像の姿こそが金の子牛なのです。
神を礼拝するのか、金の子牛（お金、この世）を礼拝するか、という問いかけは、物質主義の現代に生きる私たちにとって非常に重要な選択となります。今日、目の前にあるあらゆる不足や、心配や、恐れに心を奪われるのではなく、全てを創られた主に目を向け、主を礼拝して歩んでまいりましょう。
■A：考えてみよう
以下の御言葉を朗読し、自分の信仰告白としましょう。
「神は、あなたがたを、常にすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれる者とするために、あらゆる恵みをあふれるばかり与えることのできる方です。」（２コリント９：８）
■P：祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 しんご 】
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