■S:今日の聖書の言葉
マルコによる福音書5章19節
★しかし、お許しにならないで、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」
■O:今日のコラム
今日の箇所の中から、ゲラサ人の地に住む汚れた霊につかれた男性の出来事を見たいと思います。この男性の変えられた姿を通して色々と学ばされます。
イエス様はマルコ4章35節において「さあ、向こう岸へ渡ろう」このように言われてゲラサ人の地に向かいました。群衆をあとに残し、行く手を阻む湖の激しい突風を乗り越え、ようやく辿り着いたゲラサ人の地で待っていた人物は、レギオンを宿した墓場に住む男性でした。
なぜ、イエス様はわざわざこの男性に会いに行こうと思われたのでしょうか?それは、イエス様がこの男性のことを深くあわれんでおられたからです。この男性がどれ程大変な状況にあるかを知っておられたのです。イエス様の周りにはいつも大勢の人が集まっていました。人々は病人や悪霊につかれた人をイエス様のもとに連れてきました。イエス様は病気にかかっている人をいやし、人々から悪霊を追い出されました。
今回登場するレギオンを宿した男性は、もはや自力でイエス様のもとに来ることが出来ず、人々も彼をイエス様のもとに連れて行く事が出来なかったのです。だからイエス様は彼の事をあわれに思い、自らゲラサ人の地に趣き、この男性を助けにやって来たのです。イエス様は御自身の宣言をもって、汚れた霊を追い出し、悪霊につかれていた男性を見事に解放しました。
イエス様がゲラサ人の地から帰途に着こうとしたときに、正気に戻った男性も一緒について行きたいと言いました。しかし、イエス様はこのように言われました。
「しかし、お許しにならないで、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」」(マルコ5:19~20)
イエス様はこの男性に命令を与えました。イエス様が自分の身にどれ程偉大なことをして下さったか、どれ程のあわれみを注いで下さったかを人々に「知らせなさい」というものでした。男性はイエス様の命令通りに、自分の身に起きた素晴らしい出来事を伝えて回りました。この男性は自分が住んでいる地域であるデカポリス全体に、イエス様のことを宣べ伝える者となり、神の栄光を現す器になったのです。
男性はなぜ大胆にイエス様のことを人々に知らせることが出来たのでしょうか?それは、男性がイエス様によって悪霊の支配から解放された事を体験したからです。男性は人々に難しい事を伝えた訳ではなく、シンプルに自分の身に起きた出来事を人々に伝えて回ったのです。
私たちクリスチャンもこの男性と同じように、イエス様の十字架の贖いによって、サタンの支配からの解放を体験した者です。イエス様が自分に対してどんなに素晴らしい事をして下さったのかを、人々に知らせる事が求められています。すなわち、福音を語るとは自分の身に起きた救いの体験をシンプルに周りの人々に知らせる事なのです。
時に、なぜ、私たちは福音を伝える事を恐れてしまうのでしょうか?それは、自分の身に起きた「救い」という体験が過去の出来事となってしまうからです。過去のある時点で経験した「救い」は確かに素晴らしいものです。しかし、時が経つにつれ、その救いの感動は色褪せてしまいます。結果的に感動をもって福音を伝えることが難しくなり、どこか宗教的に語ってしまい、恐れがやってくるのです。
それでは、どうすればいいのでしょうか?そのためには日々イエス様の十字架の贖いを体験し続けることが必要です。イエス様の十字架の御業が、自分にとってどのようなものなのかを絶えず黙想する必要があります。救われてもなお、私たちは罪の性質が残っています。日々十字架のもとに近づき、血潮により罪を洗い流して頂く必要があります。
聖霊様はさらに深く十字架の救いの御業を啓示してくださいます。昨日よりも今日、今日よりも明日、十字架の感動と深みは増すばかりです。日々、このように十字架の恵みを体験し続けるならば、どんな時でも人々に新鮮な感動をもってイエス様のことを伝えることが可能になっていくと信じます。シンプルに自分の身に起きたことを伝えていきましょう。
今日の皆様の一日の歩みの中で、イエス様がしてくださった素晴らしい事を伝える機会が与えられますようにお祈りしています。
■A:考えてみよう
私たちが受けている「救い」について、今一度考えてみましょう。
イエス様が私たちにして下さった御業とはどのようなものなのか黙想してみましょう。
■P:祈り
イエス様、私の為に十字架に架かって下さった事を感謝します。命がけでサタンの支配、罪の束縛から解放して下さった事を感謝します。絶えずあなたの救いの御業の素晴らしさを聖霊様によって啓示してください。あなたの偉大な御業を絶えず褒め称える事が出来ますように!また、人々にイエス様の素晴らしさを伝えることが出来るように証の機会をください。
愛するイエスキリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 あきひろ 】
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