■S:今日の聖書の言葉
ペテロの手紙第一2章1~2節

★ですから、あなたがたは、すべての悪意、すべてのごまかし、いろいろな偽善やねたみ、すべての悪口を捨てて、生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、みことばの乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。

■O:今日のコラム
この手紙はペテロが、故郷であるエルサレムから遠く離れた場所、異国の地(ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤ)に寄留しているユダヤ人たちに書いた手紙です。手紙の中でペテロは、「寄留者たちがどのようにその地で生きるべきか」を教えています。

私たちも御国に永遠の住まいがあり、この地においては寄留者であります。この手紙を受け取ったユダヤ人たちと同じように、私たちも寄留者として、同じ立場でこの手紙を読み進めて行く必要があります。

今日の箇所では「みことばの乳を慕い求めなさい。」と書かれていますが、ここで使われている「慕い求める」というと美しい響きですが、原語では「エピポセオ」といって、「欲望、要求」といった強い願望の意味合いを持つ言葉です。その言葉の持つ意味合いは、まさに、お母さんのお乳をもらえるまで泣き続ける赤ちゃんのようです。

下の娘が生まれたばかりの時に、体重が基準に満たなかったので、NICUという新生児の治療室で数日お世話になりました。母親がいない時間は看護師さんが何人もの赤ちゃんたちを見守り看護してくれますが、そんな中でひときわ大きな声で激しく泣く赤ちゃんには、看護師さんが優先的にミルクをあげていたのを覚えています。それと同じように、私たちが神ご自身であるみことばを熱心に求めるならば、主はその者に御目を注ぎ、みことばの糧で豊かに私たちを養い育てて下さると信じます。

イスラエルの民がかつて欲望、強い欲求をもって主に求めたものがありました。それは、民数記11章に出てくる場面です。

「また彼らのうちに混じってきていた者が、激しい欲望にかられ、そのうえ、イスラエル人もまた大声で泣いて、言った。『ああ、肉が食べたい。』」(民数記11:4)

荒野でのイスラエルの民が貪欲に求めたものは、自分の肉を満足させるものでした。その貪欲さは彼らを滅びへと導きました。今日の箇所では、その同じ激しい欲求をもって、みことばを求めなさい、と語っています。

「求めなさい」それは、イエス様が直接語られた戒めでもあります。何のためにみことばを慕い求めるのか。それは、「救いを得るため。」とあります。

詳約聖書においては「純粋な霊の乳を渇望し、熱心に欲求しなさい。それによって、あなたがたが養われ、成長し、完全な救いに至るためです。」とあります。さらりと読んで、次に行ってしまいそうですが、完全な救いに至るためには、みことばを求めることがなくてはならないと、御言葉が言っています。みことばへの欲求は私たちを永遠の救いへと導くのです。

私たちは実生活の中で「あれが足りない。これが必要。」と地上のあらゆる事柄に対してある意味において「飢え」を覚え、神様に対しては何の飢えも渇きも覚えない時があります。山上の垂訓でイエス様は「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。」(マタイ5:3)と言われました。「心の貧しい者」とは、主以外に心が満たされることのない者、主に飢えている者のことです。この地上のたくわえばかりに関心をおいていた人に対して、神のみことばは、このように言っています。

「しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」(ルカ12:20,21)

神は私たちが喜び楽しむようにと、この地上において、良い物で満たして下さいました。良い物を神から受け取り、私たちが良い物で満ちることは御心です。けれども、私たちは地上の事柄に思いがとらわれすぎて、満足してしまって、神への飢え渇きを失わないようにしたいと願います。

今年に入って、何度もみことばの多読が、教会の中で励まされていますが、今年もあと2ヶ月ちょっとになりました。今一度、自分の一日の時間の使い方を振り返り、見直し、永遠のいのちと関わりのないことに時間を投資する代わりに、与えられている時間をみことばを読む時間、霊の糧を食する時間へとあてていきましょう!共にみことばを熱心に欲求し、皆さんで共に救いへと到達していきたいと願います。

■A:考えてみよう
自分は、一日の中で、どれだけの割合でみことばの朗読に時間を捧げているだろうか?仕事や家事、子育て、勉強など、人それぞれに持てる時間、みことば朗読に捧げられる時間の量は違うでしょう。けれども、レプタ銅貨2枚の女性と同じように、持てるもののうちからの捧げもの、一人ひとりの心を主は見ておられ、忠実に公平にそれに報いて下さいます。

自分の心と生活を見張り、一日のうちで、「完全な救いへ至る」ために投資できる時間がどれだけあるかを振り返ってみましょう。イエス様がいつ来られても良いように、共に、ルカ12章21節にある「神の御前に富む者」となっていきましょう。

■P:祈り
主よ。あなたとあなた御自身であるみことばに対する新しい飢え渇きを今日、私に下してください。神の御国を受け継ぐ者となるために、心の貧しい者とならせて下さい。自分を救いから遠ざける事柄に、もし私が熱心になってしまっている領域があるならば、そこに光をあて、気づきを与えて下さい。体の糧以上に、永遠のいのちに至るための、霊の糧を今日も慕い求めます。みことばの下にへりくだります。
聖霊様、今日も私にみことばから知恵を与え、悟りを与えて下さることを感謝します。

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 みちる 】

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