■S:今日の聖書の言葉
へブル書11章39~40節

★この人々はみな、その信仰によってあかしされましたが、約束されたものは得ませんでした。神は私たちのために、さらにすぐれたものをあらかじめ用意しておられたので、彼らが私たちと別に全うされるということはなかったのです。

■O:今日のコラム
彼らとは、旧約の信仰者たちです。彼らは私たちと別のルートで神のもとに近づいていったわけではなく、私たちと同じくメシヤをメシヤとして受け入れることによったのです。

彼らはその名前がイエスであることは知らなかったかも知れませんが、十字架にかかり、死と葬りと復活を遂げられる方、贖いを成し遂げられる方であることを啓示されていました。彼らは信仰によって称賛されました(2節)が、それはどんな信仰でも良いのではなく、メシヤ信仰なのです。

ヘブル書11章1節にある、「望んでいる事がら」「目に見えないもの」の核心はイエス・キリストです。
 
アベルは、長子であられるメシヤが私たちの身代わりとしてほふられる神の小羊であることを知っていたので、傷のない最上の羊の初子をいけにえとして捧げました。
 
エノクもやがて来るさばきとメシヤの贖いを信じ、メシヤの贖いによって神に近づけることを信じました。また、世での報いではなく、まことの報いであるイエス様を目指して歩んでいました。そうして神とともに歩む者となり、その報いに預かる者となりました。
 
ノアも信仰によってやがて来るさばきと贖いを信じ、そこから箱舟によって救われました。その箱舟は、イエス様の十字架の型です。彼はメシヤによる十字架の贖いを啓示されていたのです。
 
箱舟は松やにで、内も外も塗られ水から守られましたが、この松やにという語は、コフェルで贖いを意味します。贖いの血によって覆われ、内なる人も贖いの血によってきよめられることの型です。この箱舟によって世は罪に定められ、受け入れた者だけが救いに預かりますが、これは十字架の贖いの型なのです。

サラもアブラハムも信仰によって子が与えられました。自分が年老いて死んだも同然であることを認めていましたが、彼らは死者をよみがえらせる神の力を信じました。彼らはメシヤの死と葬りと復活を啓示されていたのです。
 
ここに出て来る信仰者は私たちと同じく、救い主(メシヤ)であるイエス・キリストとその贖いを信じ、見つめて信仰の道を歩んでいたのです。へブル12章2節にこうあります。

「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。イエスは、ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをものともせずに十字架を忍び、神の御座の右に着座されました。」(へブル12章2節)

特に義の故に迫害にあうとき、私たちが見つめるべきイエス様の姿は、十字架で裂かれた神の小羊イエス・キリストであると思います。十字架で裂かれたイエス様を見つめるとき、この地上で誠実を尽くしながらも心が引き裂かれるような状況に遭遇するとき、自分の全存在を神に委ねることが出来るからです。「あなたも近しい存在に裏切られました」「あなたも愛する存在から辱められました」とその中で忍耐することができるようになるのです。

そうして、栄光の神に新しく出会うことになります。それは至聖所に入っていくような体験なのです。

「こういうわけですから、兄弟たち。私たちは、イエスの血によって、大胆にまことの聖所に入ることができるのです。イエスはご自分の肉体という垂れ幕を通して、私たちのためにこの新しい生ける道を設けてくださったのです。」(へブル10章19~20節)

至聖所の手前で私たちが歩む道は、十字架で肉体を裂かれたイエス様です。この裂かれた肉体を通っていくことは、私たち自身も裂かれることを意味します。心を引き裂かれるような体験を通してでも神と新しく出会うことを求めます。

私たちの見つめているのは、世の中で痛みや苦しみを味わわないことではありません。だったら生まれてこない方が良いのです。私たちが見つめ、求めているのは、まことのいのちであり報いであられるイエス・キリストだからです。

■A:考えてみよう
神と人との前に誠実に歩んでいるのに、苦しみや辱めにあうとき、十字架で裂かれたイエス様を見つめ、その生ける道を選びましょう!

■P:祈り
主よ。あなたこそ道であり、真理であり、いのちです。わたしの受ける分、まことの相続地はイエス様です。あなたにどこまでも従って歩むことが出来ますように。弱い私を支え、恵みによって強めてください。私の願いはあなたとともに住まうことです。今日、あなたを新しく知ることを求めます。

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 まじまこ 】

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