新宿シャローム教会 Shinjuku Shalom Church

■S:今日の聖書の言葉
マタイの福音書19章20～21節

★この青年はイエスに言った。「そのようなことはみな、守っております。何がまだ欠けているのでしょうか。」イエスは彼に言われた。「もし、あなたが完全になりたいなら、帰って、あなたの持ち物を売り払って貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を積むことになります。そのうえで、わたしについて来なさい。」

■O:今日のコラム
私たちは「完全」と聞くと、何でも出来て、非の打ち所がない、欠点が何一つないことをイメージするのではないでしょうか。

私自身は、今までそのイメージが強かったので、そこに到達するよう努力したものの、自分の弱さや失敗を味わうたびに、私は、この「完全」からは程遠い人間だと思っていました。

しかし、イエス様が言われる「完全」とは、どういう意味でしょうか。

今日の箇所で、この青年は、自分は戒めを守り、欠けがないと思っていたのでしょう。もしくは、永遠のいのちを得るために、欠けがあったなら、良い行いで補おうと思ったのかもしれません(マタイ19:16参照)。

しかし、イエス様はこの青年に「もし、あなたが完全になりたいなら」と、おっしゃいました。そして、イエス様が彼に言われたのは、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という第2の戒めを、心から従って、実際の行いをもって全うすることでした。

この第2の戒めを、ヤコブは「完全な律法」(ヤコブ1:25参照)と言い、別の箇所では、このように言っています。

「もし、ほんとうにあなたがたが、聖書に従って、『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という最高の律法を守るなら、あなたがたの行いはりっぱです。」(ヤコブ2:8)

「最高の律法」は、別訳では「私たちの王の律法」と書かれています。私たちはこの律法を守るように命じられているのです。しかし「完全な律法」を守ることは、自分の力では出来ません。

なぜなら、私たちは「完全」ではないからです。欠けだらけです。肉の努力によっては、不可能なのです。だからこそ、私たちには、ただ一人、完全なお方、完全な律法を成し遂げられたお方、イエス様が必要です。

イエス様は、財産に変えることの出来ない、ご自身の命という代価をもって、隣人を愛する愛を示して下さいました。愛は犠牲を伴うものです。表面上、外見上の愛の「ような」ものは、この世にも多く存在しているかもしれません。でも、聖書はこのように言っています。

「自分を愛してくれる者を愛したからといって、何の報いが受けられるでしょう。取税人でも、同じことをしているではありませんか。 また、自分の兄弟にだけあいさつしたからといって、どれだけまさったことをしたのでしょう。異邦人でも同じことをするではありませんか。 だから、あなたがたは、天の父が完全なように、完全でありなさい。」(マタイ5:46～48)

先日、教会の兄弟のメッセージの中でも、「完全になる」というのは、主の命令であり、私たちが願うなら、主は出来ないことを命令する神ではないので、私たちは主が命令された「完全な者」へと、本来造られた「神のかたち」へと回復されていくと、分かち合ってくださいました。

私は、心からアーメン！という同意とともに、自分自身が「完全な者になりたい」と願いながらも、それが難しかったり、そう出来なかった経験が、何度も何度もあったことを覚えました。主は、そのたびに、私の心を取り扱ってくださり、私が自分には出来ません！と認めること、あなたが必要です！と求めることから、この「完全」になるプロセスを歩むように導き、今も導き続けてくださっています。

この青年は、イエス様のこのことばを聞くと悲しんで去って行った、とあります。彼は、私は自分の力では出来ません！と、正直に主の前で告白したら、認めたら、変わっていたのではないかと思います。

なぜなら、目の前にいたのは、完全なお方であり、彼が求めていた永遠のいのちは、良い行いで得るものではなく、弱い時も、失敗しても、目の前におられるイエス様と共に歩む「関係」によって与えられるものだからです。

「平和の神ご自身が、あなたがたを全く聖なるものとしてくださいますように。主イエス・キリストの来臨のとき、責められるところのないように、あなたがたの霊、たましい、からだが完全に守られますように。あなたがたを召された方は真実ですから、きっとそのことをしてくださいます。」(第1テサロニケ5:23～24)

ここでいう「完全に守られますように」というのは、「完全にされ続けますように」という意味があります。進行形です。

たとえ、繰り返し失敗しても、それは完全にされる、主の似姿へと変えられ続けるプロセスであることを覚え、日々、完全なるお方、イエス様！あなたが必要です！と呼び求めて、心から従っていきましょう。

■A：考えてみよう
・イエス様は、この青年に語ったように、私たちにも語っておられると思います。「もし、あなたが完全なりたいなら」と。主が「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」と私にチャレンジされていることは何だろうか。

・自分の力では出来ない時、愛せない時、捧げられない時、仕えられない時、イエス様！今日も、この瞬間もあなたが必要です！と求めていきましょう。そして、完全なお方、御言葉なるお方が、私たちの心の内に住み、愛の中にとどまることが出来ますように。

・愛が冷えていくこの時代の中にあって、私たち、神の家族、教会が、互いに愛し合うことを熱心に求めていきましょう。

「終わりに、兄弟たち。喜びなさい。完全な者になりなさい。慰めを受けなさい。一つ心になりなさい。平和を保ちなさい。そうすれば、愛と平和の神はあなたがたとともにいてくださいます。」(第2コリント13:11)

■P：祈り

イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 ささまな 】