■S:今日の聖書の言葉
詩篇78篇7節

★彼らが神に信頼し、神のみわざを忘れず、その仰せを守るためである。

■O:今日のコラム
詩篇78篇はアサフのマスキールですが、マスキール、またその語根であるサーハルというヘブル語には、「教訓」または「失敗や過去から悟る」という意味があります。ですからこの箇所から私たちはイスラエルの人々の失敗を通して主の御心を知り、その御心にかなうように歩みたいと願います。

まず初めに、詩篇78篇の一番のメッセージは何なのでしょうか。

「主はヤコブのうちにさとしを置き、みおしえをイスラエルのうちに定め、私たちの先祖たちに命じて、これをその子らに教えるようにされた。後の世代の者、生まれてくる子らが、これを知り、彼らが興り、これをその子らにまた語り告げるため、彼らが神に信頼し、神のみわざを忘れず、その仰せを守るためである。」(詩篇78:5~8)

神のさとし、すなわち御言葉が与えられたのはそれによって生きた者となるためであり、またその御言葉を世代から世代に伝えていくことが主の御心であることが分かります。イスラエルの人々の歴史をみると、彼らは父から子に、子からまたその子へとトーラーを教えていきました。それによってトーラーが保たれ、今の時代へと繋がっていることを覚えます。

神様は、何か大きなことを成し遂げるよりも、御言葉によって私自身が造り変えられること、その御言葉を生きること、またその御言葉を家族に伝えていくという私たちの生活の中でできることをして欲しいと願っておられるのではないだろうかと私は思います。

そのためにも、私たちの耳と心に割礼が施されることを通して主の御口から出る御言葉を聞くことができるようになることを願います。

「かたくなで、心と耳とに割礼を受けていない人たち。あなたがたは、父祖たちと同様に、いつも聖霊に逆らっているのです。」(使徒7:51)

「私の民よ。私の教えを耳に入れ、私の口のことばに耳を傾けよ。私は、口を開いて、たとえ話を語り、昔からのなぞを物語ろう。それは、私たちが聞いて、知っていること、私たちの先祖が語ってくれたこと。」(詩篇78:1~3)

詩篇78篇にはイスラエルの人々がエジプトから連れ出され、荒野を通って約束の地へと導かれ、ダビデ王による統治について書かれています。そしてそこにはイスラエルの人々の失敗、弱さ、また主がどのようなお方であるかや主の裁きなどについて書かれています。

彼らの出エジプトはまさに神様の業でした。神の裁きがエジプトに下り、海が分かれ、昼は雲の柱が夜は火の柱が彼らを導きました。また荒野においても主は水のないところから水を湧き出させ、天からマナとうずらを降らせ、戦いにおいて勝利をもたらしました。それにも関わらず、イスラエルの人々は主に逆らい、その大部分は荒野で滅びてしまいました。

彼らの歩みを見るとき、正直に言うと以前は自分とは関係ないと思ったり、なぜあれほど神様の業を経験しているのに信じないのか、自分は神様を信じるし神様を忘れることもないと考えたりしました。

しかし、神のかたちへ回復することを願いながら御言葉に向かうと、イスラエルの人々と自分は何も変わらない、むしろ彼らの方が忍耐していたかもしれないと思いました。荒野は暑く、見渡すとそこには砂や石だらけで、そこに滞在するというのはとても過酷です。喉は渇くし、お腹は空くし、すぐに文句が出ると思います。もし彼らの時代に生まれ、彼らの中にいたら、自分こそが主に逆らっていただろうと思います。それらのことを思うとき、彼らの歩みは本当に自分の姿であり、彼らの失敗は自分の失敗なんだということが少しずつ分かるようになりました。

では彼らの失敗は何だったのでしょうか。

それは彼らが神のおきてを忘れて、守らなかったことだと書かれています。特に申命記には繰り返し主の御言葉を忘れてはならない、離れてはならないと書かれています。

「彼らは、神の契約を守らず、神のおしえに従って歩むことを拒み、神の数々のみわざと、神が見せてくださった多くの奇しいこととを忘れてしまった。」(詩篇78:9~10)

「ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。」(申命記4:9)

主が良くしてくださったことを忘れ、その御言葉に留まらずに離れるとき、私たちはイスラエルの民のようにつまずいてしまうでしょう。

ですから今一度主の良くしてくださったことを思い返し、とこしえまで続く主の恵みをほめたたえましょう。また私たちが御言葉から離れないために、私たちの内に御言葉を刻んでくださいと主に願っていきましょう。そのように願う者たちを主は今日も良き牧者として導いてくださいます。

「わがたましいよ。主をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。」(詩篇103:2)

「彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうだ。──主の御告げ──わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。」(エレミヤ31:33)

「主はまた、しもべダビデを選び、羊のおりから彼を召し、乳を飲ませる雌羊の番から彼を連れて来て、御民ヤコブとご自分のものであるイスラエルを牧するようにされた。彼は、正しい心で彼らを牧し、英知の手で彼らを導いた。」(詩篇78:70~72)

■A:考えてみよう
・詩篇78篇を通して何を学びますか。
・イスラエルの失敗はどのようなものですか。
・主を信じる者としてどのように歩みたいですか。

■P:祈り
愛する主よ、あなたの恵みと愛が今日も十分に注がれていることを感謝します。
主がここまで全てを導き、自分で成し遂げたと思うことも全ては主の恵みであり、何一つ自分のものではないことを覚えます。
そしてただただあなたの御言葉を愛したいと願います。真理から私が離れることなく、真理に留まってあなたの自由の中を歩むことができますように。どうかあなたの御言葉を私のうちに刻み、あなたの御言葉を生きることができるように導いてください。
引き続き知恵と啓示の御霊が注がれて、イスラエルの人々の歩みから学び、あなたの御心の中を生きていくことができますように。

愛する主イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

【 たくみ 】

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一つのコメント


  1. しゅんいち より:

    たくみ様
     主の御名を賛美します。
     荒野でイスラエルの民が犯した失敗の数々は、私も同罪だと思います。
     神の律法を100%実行することは、アダム以来の罪人にはできないからです。
     イエス様の十字架の購いによって、罪許され、生かされていることを感謝して、みことばに忠実に歩みたいと思います。
     本日のメッセージを感謝します。

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