■S:今日の聖書の言葉
ヘブル人への手紙11章2節
★昔の人々はこの信仰によって称賛されました。
同6節
★信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。
■O:今日のコラム
この章はまさに『信仰』がテーマです。この章には「信仰によって」という言葉が何度も繰り返されています。
6節の「神がおられること」とは、「神様が本当にいるのかいないのか」といった次元の話ではなく、「神様が良いお方であるということに信頼を置く」という意味ではないかと思わされています。
アベルは、「信仰によって」カインよりもすぐれたいけにえ、最上の捧げものを捧げました（ヘブル11:4，創世記4:4）。アベルは主が良いお方であり、必ず報いてくださることを信じていました。神様とそのような信頼関係にありました。それゆえに、惜しむことなく最上のものを主に捧げることができました。
別の箇所になりますが、イエス様が語られたタラントのたとえ話の中で、以下のような会話がなされます。
「ところが、一タラント預かっていた者も来て、言った。『ご主人さま。あなたは、蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めるひどい方だとわかっていました。
私はこわくなり、出て行って、あなたの一タラントを地の中に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です。』
ところが、主人は彼に答えて言った。『悪いなまけ者のしもべだ。私が蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めることを知っていたというのか。』」（マタイ25:24～26）
ここで、主人が嘆いている観点は、お金が儲けられなかったことではなく、しもべがその主人のことをひどい方だと思っていることです。
アベルは主が良いお方であり、報いてくださる方であるという信仰をもち、その信頼が主に喜ばれました。カインは恐らく主は「ひどい方」であるという不信感をもっていたのだと思います。私たちが主に対して不信感を抱くなら、それが、どれほど主を悲しませることでしょう。
「信仰によって、エノクは死を見ることのないように移されました。神に移されて、見えなくなりました。移される前に、彼は神に喜ばれていることが、あかしされていました。」（ヘブル11:4）
詳訳聖書では「彼が天に連れ去られる前から、すでに神が彼に満足を覚えておられたというあかしをうけていたからです。」とあります。神はエノクに満足を覚えておられました。エノクの何に満足を覚えておられたのでしょう？
神はエノクの「信仰」に満足を覚えておられました。その「信仰」とは、つまり、「神は良いお方であって、必ずや報いてくださる愛の方、真実なお方であるということに信頼する信仰」です。
主が良いお方であって、決して見捨てないお方、むしろ、豊かに報いてくださる信頼の的であるという信仰をもつのなら、私たちはこの地上で何を失うことも怖くはありません。何を無くしても失望することはありません。
私事で恐縮ですが、先日、私の父が天に召されました。父は高学歴で高収入の人でしたが、彼の人生において、そのすべてを神のために捧げきり、人々に惜しみなく施し、自分のためには何も蓄えることはしませんでした。晩年、蓄えもあまり無い中であったとしても、誰かに必要があると知るならば「貧者の一灯だなぁ」などと冗談めいて、捧げていました。
父は「主が良いお方であって、報いを用意していてくださる方である」と信頼していました。神を信頼して捧げ、また人に惜しみなく施したその信仰は主に喜ばれていたと信じます。父の生涯を振り返る時に、お金にはその人の心、その人の神への信頼度が表れるんだということを、強く思わされました。
「こう言いました。『コルネリオ。あなたの祈りは聞き入れられ、あなたの施しは神の前に覚えられている。』」（使徒10:31）
「強くあれ。雄々しくあれ。彼らを恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主ご自身が、あなたとともに進まれるからだ。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。」（申命記6:31）
私たちも、主が良いお方、真実な方であることに信頼しきって、神に喜んでいただきましょう。
■A:考えてみよう
ヘブル11章に出て来る人たちの中に、「神を信頼しているので、地上において損することをいとわない姿」を見ます。
経済においても、「主が良いお方である」という信仰をもち、神に満足していただきたいと願います。共に、信仰によって、惜しみなく主に捧げ、人々に施す者となっていきましょう！主は豊かに報いてくださる真実なお方です！
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 みちる 】
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