■S:今日の聖書の言葉
ローマ人への手紙14章1節

★あなたがたは信仰の弱い人を受け入れなさい。その意見をさばいてはいけません。

■O:今日のコラム
この朝、このみことばから覚えたいことは、他の誰でもなく、信仰の弱い「私」を受け入れ、「私」をさばくことを放棄するということです。

神様は私たちに「完全であるように」と願っておられます。私たちはいつの間にか「自分の信仰の歩みは100点でないといけない」「主が願っておられる完全な姿でいなければならない」「完璧な親、完璧な子どもでいなければいけない」と、「完全でありなさい=100点でいなさい」ということだと思い違いをしてしまっていることがあります。そのような考えは、自分はこれができていない、あれもできていないと、100点でない自分をいつも責め、自分自身を罪に定めます。

神様が私たちに願う「完全であるように」とは、そういうことではありません。パウロは手紙でこのように書いています。

「…私たちはあなたがたが完全な者になることを祈っています。」(第二コリント13:9b)

「完全な者になることを祈っています」は、直訳では「あなたがたの完成のために祈っています」となっています。すなわち、「完全でありなさい」と神様が言われることの意味は、「完成に向かって進みなさい」なのです。

ある時、子育てセミナーにおいて、講師の先生が言われていたことが私にとって大きな励ましとなりました。「親として今何点であるかが問題ではありません。目標に向かって進んで行くことが大切です。10点なら20点、20点なら30点になるように目指して行けばいいのです。大切なのは、神様が願われるところに向かって進んで行くことです。」

親として常に完璧でいなければならないと思い込んでいた私にとってどれだけ大きな慰めとなったかわかりません。肩の荷が下りるのを経験しました。

神様は、私たちが物事を完璧にこなすことよりも、完璧に子育てをすることよりも、自分のプロジェクトを完璧に成功させることよりも、私たちがどのような者となっていくか、どのように変えられていくか、キリストにある完成を目指して歩んでいるのか、そのことに多くの関心があるのです。

忙しい日々の生活の中において、自分のやるべきことを一旦脇に置き、「今日私はキリストのご性質に変えられているだろうか?神様が願っておられるところに向かって進んでいるだろうか?」と立ち止まって自分自身を点検することはとても大切です。

その時に、たとえ私たちが、今の自分はまだまだ未熟であると感じたとしても、弱さを感じたとしても、人と比べて自分は足りない者だと感じたとしても、今の自分を受け入れ、自分をさばくことを放棄し、今置かれた場所を主に感謝することがとても大切な歩みとなります。

成長には順番があります。プロセスというものがあるのです。人の成長を見ても、赤ちゃんがある日突然成人になることなどありえません。幼児期、学童期、青年期を経て成人に達します。また、植物を見てもそうです。キュウリの種を蒔いたからといって、次の日にいきなりキュウリが成るわけではありません。成長には段階があります。同じように、イエス様を信じたからと言って、私たちは一日で神様の願う姿に変わるわけではありません。全ての人は生まれたばかりの赤ちゃんから始まるのです。

すぐに芽が出ないからと言って、その種が欠陥品だと誰が言うでしょうか。何も変化がないように感じても、土の奥深くで、次の段階に進むための準備をしているのです。見えないところで深く根をはる長い忍耐の期間こそ大切な期間です。冬の季節にどれだけ根をはったかによって、春に多くの実を結ばせ、大収穫の時を迎えます。

私たちの信仰の歩みにおいても同じです。現状が変わらずとも、目に見える変化がなくとも、取るに足らない「芽」のような段階であっても、人目につかない地味な「葉」のような段階であっても、その一つ一つが必要なプロセスであり、そのプロセスを経てこそ、その次のステップに向かうことができるのです。種は小さいからといって未熟なわけではありません。種は種としての役割をしっかりと果たしているのです。芽も芽としての役割を果たしています。葉もまた、しかりです。

10があるから20があり、20があるから30へと進んでいけるのです。10も完全であり、20も完全なのです。10が完全でなければどのようにして100に到達することができるでしょうか。今、10であること、20であることを嘆くのではなく、今自分に与えられたステージを主に感謝しましょう。そして、今置かれている場所において「キリストにある完全さ」を主から受け取りましょう。なぜなら、それが完成へと向かって行く歩みだからです。

完全であるというのは、自分がどの段階にあったとしてもキリストにあって満ち満ちている状態にあることです。

「キリストのうちにこそ、神の満ち満ちたご性質が形をとって宿っています。そしてあなたがたは、キリストにあって、満ち満ちているのです。キリストはすべての支配と権威のかしらです。」(コロサイ2:9~10)

私たちはキリストにあって満ち満ちるときに完全さを受け取るのです。結婚すれば夫が私を完全にしてくれるのでしょうか?子どもが生まれたら子どもが私の心を満たしてくれるのでしょうか?健康が私を完全にするのでしょうか?それとも豊かさが私を完全にしてくれるのでしょうか?いいえ。ただ、キリストだけが私を満たし、私を完全にしてくださいます。

貧しい中にあっても、弱さの中にあっても、たとえ病いの中にあったとしても、私たちはキリストにある完全さを受け取ることができるのです。パウロは手紙の中で、暗い牢獄にいながら、状況に左右されず、キリストにあって満ち満ちることの秘訣、キリストにある完全さについての奥義を書きました。

「乏しいからこう言うのではありません。私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました。私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(ピリピ4:11~13)

その秘訣は、逆境に抵抗するのではなく喜んでそれを受け入れ、主に委ねることだと言っています。最も辛い境遇でも、最も喜ばしい状況でも、私たちの歩みを強めてくださるのはイエス様だけです。私たちはどのような状況のときにもイエス様にあって満ち足りて生き、今いる場所において完全さを受け取ることができるのです。そのようにして、私たちは完成へと向かって進んで行きます。

「キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。ですから、成人である者はみな、このような考え方をしましょう。もし、あなたがたがどこかでこれと違った考え方をしているなら、神はそのこともあなたがたに明らかにしてくださいます。それはそれとして、私たちはすでに達しているところを基準として、進むべきです。」(ピリピ3:14~16)

それであるなら、信仰の弱い自分をさばく必要はありません。喜んで弱い自分を受け入れましょう。弱さの中でこそ、挫折の中でこそ、葛藤の中でこそ、痛みの中でこそ、私たちは砕かれ、飢え渇いて主を求め、御霊の力を受けて、主にあって満ち満ちて生きることができるのですから。

今日も、主の恵みは私に十分です。

「しかし、主は、『わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現われるからである。』と言われたのです。ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。ですから、私は、キリストのために、弱さ、侮辱、苦痛、迫害、困難に甘んじています。なぜなら、私が弱いときにこそ、私は強いからです。」(第二コリント12:9,10)

「私たちは、自分が弱くてもあなたがたが強ければ、喜ぶのです。私たちはあなたがたが完全な者になることを祈っています。」(第二コリント13:9)

■A:考えてみよう
・キリストにあって満ち満ちていることが、もっと現実に、心で体験できるように主に願い求めましょう。

・主があなたのうちで働かれることを妨げているものは何でしょうか。キリストにあって満ち満ちて生きることができない原因は何でしょうか。立ち止まり、主の前に出て自分の心を点検する時間を持ちましょう。

・成長を妨げる力に勝利する方法は何でしょうか。

・現状が変わらずとも、あきらめないで自分自身のたましいに信仰の種を蒔き続けていきましょう。

■P:祈り
この朝、エペソの手紙3章16~21節のパウロの祈りを共に主にささげましょう。

「どうか父が、その栄光の豊かさに従い、御霊により、力をもって、あなたがたの内なる人を強くしてくださいますように。
こうしてキリストが、あなたがたの信仰によって、あなたがたの心のうちに住んでいてくださいますように。また、愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。
どうか、私たちのうちに働く力によって、私たちの願うところ、思うところのすべてを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またキリスト・イエスにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン。」

【 ひさえ 】

カテゴリー: マナメール

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