■S:今日の聖書の言葉
マルコによる福音書12章29～31節
★イエスは答えられた。「一番たいせつなのはこれです。『イスラエルよ。聞け。われらの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』次にはこれです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』この二つより大事な命令は、ほかにありません。」
■O:今日のコラム
聖書全体の教えをまとめるならこの二つの戒めに集約することが出来ます。第一の戒めは神を愛することであり、第二の戒めは自分も含め人を愛することです。イエス様ご自身が「この二つより大事な命令は、ほかにありません。」と言われているように、これは聖書の中心的なメッセージなのです。
しかし、私たちは自分の熱意や肉の努力だけでは、この戒めを決して全うすることが出来ません。この戒めを追い求めれば追い求める程、この二つの戒めの中に、聖書の最も中心にある完全な神の愛が啓示されるようになるのです。それは、主イエス・キリストの十字架です。
第一の戒めは、十字架の縦の木にあたり、そこにはどこまでも真実で忠実に御父の心に従い、神の義と愛を貫き通した御子キリストの姿を見ることが出来ます。
第二の戒めは、十字架の横の木にあたり、そこには両手を広げ、御父の前に赦しを宣言し、どこまでも私たちを受け入れ、愛し、赦し、信頼してくださる、愛に満ちた小羊キリストの姿を見ることが出来ます。
つまり、主イエス・キリストの十字架はこの世に示された完全な神の愛のかたちであり、第一の戒めと第二の戒めの完成の姿であり、十字架の上で聖書の律法と預言が完全に成就しました。
新約聖書の時代に主イエスは、この二つの戒めを一つにまとめて、教会に「唯一の戒め」として新しい戒めを与えて下さいました。
「あなたがたに新しい戒めを与えましょう。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」（ヨハネの福音書13:34）
ここには「わたしがあなたがたを愛した愛」すなわち主との愛の関係、第一の戒めがあり、また「互いに愛し合う愛」の第二の戒めがあります。この二つの戒めが一つとなって、新しい戒めとして新約時代の教会に与えられました。
私たちがこの愛に生きることを最も妨げるのは、自分自身の内にある「自己中心」です。これはすなわち罪の性質なのです。罪に対する処方箋はただ一つ、主イエスの十字架の血潮だけです。
この戒めを全うして生きるために、日々自分の肉の性質を十字架に付け、自己中心的な生き方が葬られ、主イエスの血潮で罪が洗われ、御霊による復活の力を受けて、新しい命に満ち溢れて、この新しい戒めの道を歩んでまいりましょう。
人には出来ないことが神には出来ます。主は恵みにより、この戒めを行う力をも与えて下さいます。
■A：考えてみよう
以下の御言葉を朗読し、暗唱し、黙想（思い巡らし、告白し）して祈りましょう。
「聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」（申命記６：４～５）
「復讐してはならない。あなたの国の人々を恨んではならない。あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。わたしは主である。」（レビ記１９：１８）
■P：祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
【 しんご 】
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